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プロの翻訳者? その6

2013年10月26日

Avilionという中世ファンタジーロールプレイングのSIMを紹介していきます。キングアーサー伝説とロードオブザリング(指輪物語)をベースにしたSIMです。

プロの翻訳者? その6

動詞と副詞の違いもわからずにアビリオン憲章を無断利用して貶め、僕の台詞を捏造している、あるプロの翻訳者の方がブログでまた珍説を披露なさっています。

この方は説明書の翻訳が専門だそうで、
もし操作を誤った場合に致命的なエラーが発生する場合があるという説明文を、英語にどう翻訳するか解説なさっています。

そして、If文を使うと長くなるからと(よほど"If"と"もし"がお嫌いなようです)、「An incorrect operation may cause……」という驚くべき英作文をなさっています。今回はお得意のコピペではなく、間違いなくこの方がつくったのでしょう。

そしてこれを「不定冠詞の条件的ニュアンス」として、学校英語止まりの私たちでは習わない用法として自慢なさっています。

そして「An incorrect operation」を「1つの間違った操作」という風な学校作文のような訳にしないようにとアドバイスしています。

さて、まず「incorrect operation」を「誤操作」という意味で使う場合、不可算名詞(数えられない名詞)として使うのが一般的です。「手術」という意味で使うなら可算名詞ですが。

不可算名詞に不定冠詞(a/an)を使わないのは学校英語の基本です。数えられないんですから。

それでも、あえて「incorrect operation」に不定冠詞を付けて条件的ニュアンスにすると、
「1つでも誤操作があると致命的なエラーを引き起こすかもしれません!」というニュアンスになってしまいます。そんな機械は怖くて使えません。あるプロの翻訳者の方が自慢なさっている頭のいい英国のお友達も、そんな説明書を見たらビックリすることでしょう。

英語はとても冠詞の使い方に厳密な言語で、「a/an」とくれば必ず「1つ」というニュアンスを含んでいます。日本語に訳す場合は省略してもかまいませんが、英語に訳す場合は要注意です。

『日本人が誤解する英語』(マーク・ピーターセン)によると、ネイティブは名詞に冠詞をつけるというよりも、「話すときも、書くときも、先に出てくるのは冠詞のほうで、そして、その冠詞に名詞が付きます。そればかりではなく、theか、aかによって、名詞の意味が変わる」のだそうです。

ネイティブはこんな表現をしませんので、使わないようにしましょう。

あるプロの翻訳者の方は、学校英語から基礎をじっくり学ばれたほうがいいでしょう。

マーク・ピーターセンの本もお勧めです。


日本人の英語 (岩波新書) [新書]
マーク・ピーターセン (著)

日本人が誤解する英語 (光文社知恵の森文庫) [文庫]
マーク ピーターセン (著)

Posted by Ranger F at 08:00│Comments(0)Avilionの英語

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